腰椎側面

 カイロプラクティクスは元来、脊柱の歪みが元で生じるとされる様々な症状
(内臓の働きや運動機能の異常)を、その歪みを是正することで治そうという
ものです。日本では、主に腰痛や肩こりを治療する方法のように思われていま
すが、それはカイロプラクティクスの一部に過ぎないとのことです。

(参考)
   カイロプラクティクスについて比較的公平な立場で説明しています。
        ⇒  ⇒Wikipedia

   整形外科が対症療法しかしていないと言っているのは納得できません
   が、カイロプラクティクスについてはわかりやすく書いてあります。
        ⇒  日本カイロプラクタ―ズ協会

どのように脊柱の歪みを見つけるか。

 カイロプラクティクスでは脊柱の歪みをサブラクセーションという言葉で表し ています。このサブラクセーションを見つける方法として、モーション・パルペーション というものがあります。これは、脊柱の一部に力を加えてそれがどのように動くかを調べることによりサブラクセーション を見つけるという方法です。

 さて、カイロプラクティクスの教科書には次のように書いてあります。

      「いうまでもなく、モーション・パルペーションを行う以前に、患者の主訴、その経過、
      既往症についての問診、視診、神経学的検査法、整形外科的検査法、レントゲン検
      査法、スタティック・パルペーション、計器使用による検査法を用いて、患者の状態を
      正確に把握しておかなければならない。特に病理学的疾患には充分な注意を払い、
      必要であれば、患者を専門医の手にゆだねることが大切である。」
                 ― 中川貴雄 編著 「脊柱モーション・パルペーション」 より―

 いきなりモーションパルペーションを行えば、かなり高い確率で誤診が生まれるはずです。日本で はカイロプラクタ―はレントゲン検査ができないし、きちんとした医学教育を受けてない場合も多い ので、問題となるケースが出てくるわけです。

カイロプラクティクスはどのように働くのか

 カイロプラクティクスでは脊柱のサブラクセーションを矯正することをアジャストすると言います。 これについて私が疑問に思うのは、次の2点です。

 1.脊椎手術で脊柱のずれを矯正する場合、道具を使ってかなりの力を加えなければ脊柱は動き
   ません。さらにそれを矯正された位置に保つには強固な固定が必要です。それを考えると、
   「外から手で力を加えるだけで、脊柱のサブラクセーションはアジャストされるものだろうか?」
   という疑問。

 2.仮に脊柱のサブラクセーションがアジャストされたとして(要するに脊柱の歪みが治ったとして)、
   「そこに関連する神経の働きが正常になるものなのだろうか」という疑問。

 これらの疑問点に関して私なりに考えたことがあります。

1.⇒関節の動きを良くしようと力を加えて動かしても、縮んだ靭帯や関節包(関節の周りの組織)は簡単
  に伸びるものではないし、伸びた靭帯が元にもどるものではありません。短期間で変化があるとすれ
  ば、関節の周りの筋肉です。脊柱のサブラクセーションをアジャストするということは、脊柱の周囲の
  筋肉の過剰な緊張を取り除きバランスを取り戻すことではないだろうか。

2.⇒「歪みが治る=神経の働きが正常になる」というわけでは無く、脊柱の一部を動かすことにより、そ
  の周囲の神経(特に交感神経系)が刺激を受け、それにより内臓を支配する自律神経に影響を与え
  るのではないか。

 腰痛に対する治療効果は上の1.に述べたものだと考えていますが、次の文献も参考にして下さい。

「急性腰痛に対するカイロプラクティック的手法」 日本腰痛学会雑誌Vol.11(2005), No.1 pp.64-68


もっと詳しく知りたい方は、次のweb site をご覧ください。
  国際カイロプラクター協会   Palmer college of chiropractics

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