装具療法といっても腰部においてはほとんどがコルセットの類です。
コルセットの効果は次の2つと言われています。
1.腰椎の動きを制限して、腰部の負担を減らす。
2.腹圧を高めて、腰椎にかかる負担を減らす。(腹筋を補助)
でも、実際には1.が主要なものだと考えます。使用する場合は
a)腰痛があっても仕事をしなければならないとき。
b)圧迫骨折などの外傷で腰部の安静を要するとき。
c)手術後に安静を要するとき。特に、骨移植を併用した固定術後、
骨癒合をはかるため。
d)側弯など脊柱を矯正するため。
などです。
コルセットには次のような様々なものがあります。
A.腰痛ベルト
ゴムやゴムを織り込んだ伸縮性の素材で出来たもので、支柱が無いかあっても簡単なものです。これもコルセットと称している場合も多いです。
サイズはS、M、L、LLといったように腹囲に応じていくつかのサイズが用意されています。
市販のほとんどのものはこのタイプで、一般的な腰痛に用いられます。
医療機関では健康保険が効きます。
「腰椎捻挫などの疾患に対して腰部固定帯で腰部を固定した場合、J119-2腰部
又は胸部固定帯固定(35点)にJ200腰部固定帯加算(170点)を加算し算定する。」
要するに3割負担で615円というわけです。(安すぎる!市販では3000円〜5000円位が多い。)
なお、似たようなものに骨盤ベルトというのがあり、
仙腸関節性の腰痛に用いられるとのことです。
B.軟性コルセット
メッシュの生地に金属の支柱を埋め込んだものが多く、義肢装具士が採寸して製作を依頼します。
生地に伸縮性が無いぶん、A.の腰痛ベルトよりも固定力に優れます。以前は椎間板ヘルニアの
ちょっとした手術にも、これを作成してつけてもらっていました。代表的なものに
ダーメン・コルセットがあります。
C.硬性コルセット
これはその名の通り、固い材料で出来ています。金属の枠で出来たものと、
プラスチックでモールドされたものがあります。義肢装具士が採型(石膏ギプスなどを用いて型取りすること)
して製作を依頼します。側弯の治療にはこのタイプのものを用います。
(ふつう、腰や首がつらい時に装具をつけるのに、このカタログのお姉さんは嬉しそうです。)